【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
「あ、なぁんかバカにされちゃってる? オレたち」
頭の回転も含め、何事にも愚鈍そうな男たちだが、そういうことには敏感だった。
「彼女守ってボロボロになりたいんなら、それでもいーんじゃねーの」
威嚇を込めているのか、男たちはこれ見よがしにポキポキと指の関節をならす。
「3対1でアンフェアとか言わないでね、カレシ」
囲い込むようにして近付いてくる男たちをチラリと見て、秋月会長は呟いた。
「人通りが多いな。通報されるか……」
「かかか会長……っ」
呑気にぶつぶつ言ってる場合じゃない。
絶対絶命大ピンチ。
「心配すんな。通報されて駆けつけてくる頃には、オレたちはいねーよッ」
勢い良く繰り出された拳を、パシッと小気味よい音が止める。
秋月会長の手のひらが、男の拳を掴んでいた。
見切ってるなら、流したほうが痛みは少ないだろうに。
わざわざ受けたように見えた。
「っ……!」
掴んだまま男を払いながら、他の男たちにぶつけてなぎ倒した。
「っのヤロウ!!」
起き上がろうとした男に、牽制も含めてなのか、脚を振り下ろす。
相手はくぐもった声を吐いた。