【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
翌日の日曜日。
私はひとりで、街へ来ていた。
きらしたノートと欲しかった本を買い、ぶらぶらと雑貨屋さんなどを覗きながら歩く。
歩いているうち買い忘れに気付き、元きた道を戻ろうとした。
余所見をしながらいきなり方向転換したため、誰かに軽く肩が触れてしまう。
「あ、すみません」
「んだよ、いてぇな」
ぶつかったわけではなく、本当に軽く触れただけなのに、相手は大げさに顔をしかめて私を睨んだ。
その顔に見覚えがあった私は、小さく声をあげた。
「あ……」
「あ、てめぇ昨日の……」
「すみません!」
反射的に逃げようとした私の腕を、がしっと掴まれる。
「待てよ……んな慌てて逃げなくてもいいだろう?」
「いたっ……放して下さい!」
私の腕を掴む男子は、昨日と同じメンバーでこの辺りをぶらついていたらしい。
数人で私の周りを囲み、辺りを見回した。
「昨日のカレシはいないみたいだな」