【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


翌日の日曜日。


私はひとりで、街へ来ていた。


きらしたノートと欲しかった本を買い、ぶらぶらと雑貨屋さんなどを覗きながら歩く。


歩いているうち買い忘れに気付き、元きた道を戻ろうとした。


余所見をしながらいきなり方向転換したため、誰かに軽く肩が触れてしまう。


「あ、すみません」

「んだよ、いてぇな」


ぶつかったわけではなく、本当に軽く触れただけなのに、相手は大げさに顔をしかめて私を睨んだ。


その顔に見覚えがあった私は、小さく声をあげた。


「あ……」

「あ、てめぇ昨日の……」

「すみません!」


反射的に逃げようとした私の腕を、がしっと掴まれる。


「待てよ……んな慌てて逃げなくてもいいだろう?」

「いたっ……放して下さい!」


私の腕を掴む男子は、昨日と同じメンバーでこの辺りをぶらついていたらしい。


数人で私の周りを囲み、辺りを見回した。


「昨日のカレシはいないみたいだな」


< 275 / 299 >

この作品をシェア

pagetop