【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
秋月会長を恐れて、というよりは、仕返しをしてやりたくて探したような印象を受けた。
まぁいいや、と気を取り直した男は、私の腕を握ったまま、強く引く。
拒絶の声を上げても、周りの誰ひとり表立った反応をしてくれない。
日曜らしく人出は多いのに、関わりたくないと目を合わせないよう、そそくさと足早に離れていってしまう。
それでもここで踏ん張っていれば、誰かが通報してくれるかもしれないと、一縷の望みに縋った。
「めんどくせーなぁ」
強情な抵抗をする私を見る男の視線に、冷たい光がよぎる。
「そんなにここに居たいってんなら、どーせならカレシ呼んじゃおっか」
引かれる腕に集中し、注意が疎かになっていたバッグを、一瞬にしてもぎ取られた。
「ちょ……返して!」