【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
その瞬間。
私の足を払った男が、突然体を二つ折りにして地面へと転がった。
ハッと他の男たちが警戒したときは既に遅く、私の腕を掴んでいた男が腕を捻り上げられている。
立ち上がることさえ忘れ、茫然と見上げた。
「今はもう、一応サラリーマンだしさ……こっちに非があるわけじゃないとはいえ、警察沙汰になったりして、社内で目立つことにでもなったら困るんだよ……でもここなら通報される心配はないかなーって」
「て……めぇ……何モンだ……!」
ギンと睨み付ける男へ、しれっとうそぶく。
「今はもう、ただのサラリーマンだって。当時だって、言えばわかるってほどの有名人でもなかったし」
「くそっ、離せ!」
「離してもいいけど、おたくらの顔は全部覚えたから。次もしまたこんなことやってんの見かけたら……わかってるよな?」
すぅっと目を細め、男たちを威圧すると、鈍い音をさせて男の腕の関節を無理矢理外し、パッと手を離した。
ほうほうの体で逃げていく男たちの姿が角へ消えると、私の体は今頃になってカタカタ震えだした。