【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


「なにがへんだって?」


突如目の前に現れた壁に、私は危うくぶつかりかけ、慌てて足を止める。


壁の上部が、にゅっと私の顔の前に近付いた。


「……っ」


息をのんだ私に、ニヤリと笑いかけてくる。


壁に見えたものは、先ほど蹴散らされたばかりの男達だった。


どこから集まったのだろう。


先ほどの倍じゃきかないほどの人数が、前方だけでなく、いつの間にか後方にも群がっていた。


というか、幾重にも囲まれてしまっている。


数人だけでも怖いのに、集団になるともっと恐ろしい。


何故か『赤信号 みんなで渡れば こわくない』というフレーズが頭に思い浮かんだ。


さっきの人数じゃかなわなかったから、頭数を集めて仕返しに来たらしい。


「チッ、さっきの男はいないのかよ」

「その辺探してみっか。ナメられたまんまじゃいらんねーだろ」

「さっきは邪魔が入ったけど、ついでにこないだの男も、呼んでもらおうじゃん」


今度こそ、絶対絶命のピンチ!


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