【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
作り物のお話なら、ここで颯爽と助けが入るんだろうけど、
哀しいかな、これは現実で。
さっきのような奇跡はもう起こり得ないのだろうなと、頭の隅でなんとなくわかっていた。
だから周りに助けを求めることは最初から考えずに、どうやって切り抜けようかとひたすらに頭を回転させた。
力ずくでは確実に無理。
反面、見た目で判断するのは良くないが、頭はあまり良さそうに思えない。
短絡的で単細胞のように見受けられる。
そこを突いたら、なんとかならないだろうか……
黙り込んでる私に痺れをきらしたのか、ひとりの男が私の前で身体を揺すった。
「さっきのヤツとこないだのヤツ、おまえが呼ばないってんなら、来るようにするしかねーよなァ」