【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


車が動き出す。


暴れても全然意味がなかった。


ケータイはどうなったろうか。


男達が持っているようには見えなくて、入ってもない連絡先を入っているように見せかけることで、彼らを誤魔化すことさえ、出来なそうだった。


この人たち、たぶん何も考えてない。直情で突っ走られてしまいそうなのが恐ろしい。


走り出してからずっと、ひっきりなしに暴れまくっているけど、車の走行には影響が出ておらず、不審車両と周りに感じさせることも出来ない。


どうしよう、どうしよう。


パニックに陥ってる私は、状況を打破する手だてを考えつくどころか、思考を維持することさえ出来なくて。


やだ、やだ!


人の話す言葉ではないような悲鳴をあげても、大音量のカーステに消されてしまう。


目尻に涙が伝った。


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