【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
廊下の曲がり角を折れて、足はゆっくりになった。
秋月会長が私を覚えてたというのは、昨日の今日だからなんだろうと思うと、更に気持ちが沈みゆく。
中身の入ったお弁当を抱えたまま、私はあてもなく廊下を歩いた。
こんなにも胸は苦しいというのに、拒絶反応すら起きてはくれなくて、私はユキトさんのことを思い出していた。
あれは忘れもしない、去年の夏の日。
私はその日、学校も休みだという事で、受験勉強の息抜きに図書館へ行った。
その帰り道。
道端で、うずくまっている人がいたのだ。
その人は私が目指している高校の制服を着ていたから、自然に目を引いた。
それが男子生徒だとわかると、徒歩だった私は、何となく嫌な感じがして、一気に通り過ぎたい気持ちになった。
でも体調が悪くてうずくまっているのなら、それでは薄情な気もする。
慎重に様子をうかがいながら、見てるのを悟られたりしないように配慮しつつ、私は彼のそばを通り抜けようとした。