【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
車で私をここまで連れてきた男達は、地面にうずくまり、もはや呻き声すら出ないようだった。
まるでテレビの向こう側を見ているみたいに、現実感がない。
私自身が、軽く気を失ってる状態に陥ってたのだろう。
しかし車内を覗き込む気配がした瞬間、誰とも認識出来ないまま、私はハッと身構えた。
反射的に後ずさったが、下がれる空間はたかが知れていて、開いたままのドアから顔が見えた。
その顔は。
「ユキト、さん……?」
見間違える筈もない。
「大丈夫?」
心配そうにこちらを見やる表情に、心臓がトクンと、先程とは全く質の異なった揺れを起こす。
たどたどしく頷いた私に、ふんわりと微笑むその顔はまさしく、私が好きでたまらなかった、ユキトさんだった。
どうしてここに。
どうして、何故。
疑問が泡のように、ポツポツ浮かんでは消えていく。
身体も思考も、固まったまま動けないでいる私に、ユキトさんの隣から、覗き込む影があった。