【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
ためらいのない視線
授業が終わり、放課後を迎える。
「ゆーうかっ」
私が荷物をカバンに詰め終えた頃、友人たちがカバンを持って私を取り囲んだ。
「カラオケ行かない?」
「ん~……」
声をかけられたら大体は付き合っていたけど、さすがに今日はちょっとそんな気分になれない。
なんて断ろうと思いながら顔を上げ、声を掛けてきた友人をみたら、
くりくりと好奇心いっぱいの瞳が見えて、
カラオケにかこつけ私のお昼の行動を訊く気だと、わかった。
一気に冷め、言葉を選びもせずに、
でも顔だけは笑顔を作って、
ゆっくりと首を左右に振った。
「今日はやめとく」
「え~なんで? 行こーよ!」
「そうだよ、行こ~?」
尚も食い下がる友人たちに、私は曖昧に笑顔を作りながら、
ありもしない用事をでっち上げようとした時。
はしゃぐように誘いをかけていた友人たちがはたと止まって、じーっと私を見ている。
みんなどうしたの?
と訊く前に、頭上から声が振ってきた。
「……行くぞ」
弾かれたように振り返ると、私の口からうわごとみたいな声が漏れる。
「なんで……秋月、会長……」