【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
睨み返してやろうか。
そんなことを考えてると、
「ねぇ。行ったほうがいいんじゃない……?」
こそっと顔を少しだけ寄せて、でも視線は秋月会長の方向を見ながら、友人が恐る恐るそう言った。
そういえば、『行くぞ』とかなんとか言われた気が。
……どこへ?
疑問は尽きないけれど、友人たちから逃げるチャンスかも。
彼女たちのことが疎ましいわけじゃないけど、傷口をさらに広げることになりそうで、しばらくはご遠慮したい。
失恋した傷を友人たちと遊んで癒し、気分転換するのは、もう少し心の整理がついてから。
だから私は、秋月会長をダシにして、椅子から立ち上がった。
これでまた明日には、更なる好奇の目が追加されるだろう。
その頃までに、笑って話せる自分になってるとは到底思えないけど、
私は秋月会長の待つ扉へと向かった。