【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
そしてたっぷりと時間が止まった私は、秋月会長がカバンを持ってなかったことを思い出す。
つまり秋月会長は、はなから帰る気はなかったらしい。
じゃあなんで私のとこに来たんだと思いかけて、私は慌てて左右に首を振った。
いつの間に、一緒に帰ること前提になってるの。ありえない。
しかし、狐につままれた感じって、こういうことを言うのだろうか。
それとも不気味とか。
秋月会長は、昨日からかなり意味不明だし、理解不能だ。
言動がまるっきりわかんない。掴めない。
ミステリアスとか、そんな響きじゃ括れない。
イライラを通り越して、呆れるを突き抜けて、
関わりたくない、が相応しい。
やっぱり苦手だ、あのひと。
私は頭の中でグチグチ言いながら、階段を下へ降りて行った。