【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
翌日。
晴れ上がった天気の下で、私の心はそれと真逆の位置にいた。
「……どういうことですか」
自分でも険のある言い方だと思うけど、言わずにはいられなかった。
私の目の前には、一台のバイクに跨がる男子。
真っ赤で鮮やかな色は、朝陽に照らされて眩しい。
差し出されたというよりも、押し付けられたに近いヘルメットを、腕いっぱいに伸ばして拒否を示したつもりなのだけど。
あっという間に頭へ被せられて。
「……乗れ」
ぶっきらぼうに告げられ、今に至る。
「だから。どういうことですか」
更に強い口調で言いながら、ヘルメットを頭から外そうとしたけど、途端に眼鏡の奥から鋭い眼光が飛んできて、ちょっとひるむ。
詰まった私に、低い声が追いうちをかける。
「……早くしろ」
どうしてこうも人の話を聞かないんだ、この人は!
こんなんで生徒会長が務まるのか!
よほど優秀な補佐がついてないと、まとまるものもまとまらないんじゃないの──と思いかけて、私はうなだれた。
副会長は、ユキトさんだ……