【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
それに。
昨日の放課後に秋月会長と教室を出たのを、友人に何て説明しよう。
ユキトさんのこと、
秋月会長のこと。
頭の中も心の中もぐちゃぐちゃで、もうなにもかもが面倒くさい。どうでもいい。
学校、行きたくない……
「──じゃあ」
不意に聞こえた言葉に、私はハッと顔を向ける。
どうやら知らぬうちに、口に出してしまっていたらしい。
恥ずかしさを感じる間もないまま、私の視界に入った秋月会長が、表情無くもう一度ゆっくり口を開いた。
「どこへ行きたいんだ」
気のせいだろうか。
無表情なのに、瞳にともる光が優しいのは。
「……どこでも」
その返事に自分で驚いた。
私は何を言ってるんだろう。
これでは秋月会長に何処かへ連れて行って欲しいみたいじゃないか。
でも。
秋月会長が一つ唸って「わかった」と言ってくれたから。
ヘルメットを被せてくるのを、拒むことはもうしなかった。
「乗れ」
「学校は……」
行きたくないと言ったのは自分なのに、怖じけづいたかのような言葉が口をついた。
やっぱり、さすがに生徒会長が学校をサボるのはよろしくないんじゃないか。