【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


幸い秋月会長には聞こえなかったみたいで、私は胸をなで下ろした。


さすがにあんな声を聞かれるのは恥ずかしすぎる。


いや、もう恥ずかしいとこをたくさん見られてるんだけど。
今更なんだけど。


いや、秋月会長にどう思われても一向に構いやしないし、いいんだけど。


……って、なんで私必死に言い訳してるんだろ。

もやもやする。



そうしてる間にも、私の腕は秋月会長の腰にしがみつくように固定され、背中へもたれかかるような格好になった。


……恥ずかしいんですけど。


確かに、さっきみたいな掴まりかたじゃ、不安定で危ないかもしれない。

それはわかるんだけど、この密着度は心臓が破裂して血液が沸騰しそうです。
嫌がらせです。拷問です。責め苦です。


頬から伝わる、秋月会長の背中の温かさが、私を混乱させる。


弱り目に祟り目って、こういうこと……?


突如じわっと浮かんだ涙は熱くて、

なんで出てきたのかわからなくて、

だけど確かに私は、今度は自分から秋月会長にぎゅっとしがみついていた。


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