【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


「くしゅんっっ」


ぶるっと体が震える。


体の中心に向かって寒気がぞくっと這い上がり、私は半ば無意識で両手を腕に回してた。


少し冷え過ぎたみたいだ。


時計も何もないから、どのくらいそこに座っていたのかわからないけど、太陽は確かにさっきよりも高い位置にある。


パチン、と隣でケータイを閉じる音がした。


いつの間にか秋月会長が立ち上がってる。


私も立ち上がろうとした瞬間、バサッと頭の上から何か覆い被さってきて、視界から美しい景色が消える。


美しい景色の変わりに、鼻をくすぐる香りがある。


ほんのり甘くて、ちょっぴりスパイシーな香り。


もがくようにして頭を出すと、その覆い被さってきたものが何かわかった。


秋月会長の、ジャケット。

秋月会長の、香り。


保健室に運ばれたときに抱え上げられてた時は、動転して気付かなかったけど、

香水、つけてるんだ──


全然気付かなかった。


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