【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


「ウゼェ」


「…………は?」


声を出すのにたっぷり一分くらいかかってしまったかもしれない。


目がぱしぱし瞬くのは、この吹きっさらしの場所での風避けや、風による乾燥のためだけじゃない筈だ。


『どうして』にかかる言葉は『だから』という理由付けであるべきなのに、

なんで『ウゼェ』が返ってくるんだろう。
全くもってわからないんだけど。
秋月会長の思考回路なんてわかりたくもないけど。


ちょっとでも優しいなんて感じたり、ときめいたりした自分の過去に戻って、小一時間ほど説教したい。


いや待て、ときめいたって何だ。

そんな気の迷い、いくら私が方向オンチだからって、そこまで迷ったりはしないんだから。


ときめいてなんていない。
断じて。


それよりも、のこのことこんなとこまでついてきた自分が、悔しい。


こんな冷血漢といるよりも、学校に行ったほうがマシだったかも。


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