【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ

「あたし、あんたの事気に入ったかもしんない。

だからひとつだけ忠告しとく。

……アキはやめときな」


伏せられた目が、震えていた。


「あいつはいい奴だよ。

でも……やめたほうがいい」


きゅっと唇を噛む仕草をしたサキが、何かに迷うように、言葉を探すように、視線をさまよわせた。


一瞬、サキが秋月会長を好きなのかとさっき感じたのを思い出したけど、

そうじゃないというのが今ならわかる。


ほんの微かな動揺がサキに広がっている。


サキは秋月会長の何かに怯えているみたいだ。


恐れている、が正しいかもしれない。


よくわからないけど、でも『秋月会長と私はそんな関係じゃない』と言えるような雰囲気ではなかった。


逼迫した空気のなかで、呻くようにサキは言葉を吐き出した。


「アキは……喰らいつくすから」