【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
休み時間はサキの事で友人たちに囲まれるかと思ってたのに、
拍子抜けするくらい何もなかった。
ちらちらとこちらを見ては、ひそひそと話しているのが視界の端に見えたけど、
立ち上がってそちらへ行こうとすると、言い訳めいた言葉を各々もごもごと口にし、さぁっとどこかへ行ってしまう。
どうやら漏れ聞こえた断片を繋ぎ合わせると、
『崎谷さんと仲良し』
『生徒会長と揉めている』
などと、つまりは三角関係みたいになってるんじゃないかと、
そういう思考回路のもとでの行動らしい。
しかも『崎谷さんからのとばっちりはゴメン』だの、
『何されるかわかんない』だの、
明らかに助けを求めた目をしていたであろう私を置いて、そそくさと移動したときにサキに睨まれたのが、よほど恐ろしかったようだ。
気まずさを感じながらも、
どこかホッとする私がいて。
そんな状態のまま、放課後になった。