【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
でもこれで秋月会長はもう、私を構おうだなんて思わないだろう。
せいせいする。
そう思いながらも、
どこか喜べないでいる自分がいて。
虚勢を張るような心境になっていることに戸惑う。
ぐちゃぐちゃにかきむしりたくなった。
──帰ろう。
気持ちを追及するのはやめ、私は溜め息をついた。
戻って来る気配のないサキは諦める事にして、ゆっくりと立ち上がる。
すると、ザザッ…と砂嵐のような音が、微かに聞こえた。
放送の入った音だ。
マイクを通したことによる少し割れた音には違和感があるけど、
その放送で流れた声は、
つい今し方この場で私の目の前にいた秋月会長、その人のものだった。
『至急』と銘打たれたその放送は、サキを呼び出すもので。
このためにしつこく名前をきいたのだと思い当たり、
私は思わず苦笑してしまった。
「──意味わかんない」
たかだか一人の生徒を捜すのに、
しかも捜してるのは先生でも自分でもなく、
公用があるというわけでもないのに、
全校内呼び出しをかけるだなんて、
そんな生徒会長、きいたことない。