【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


「結香のお友達?」


私が母の声を余所いきだと感じたのは、

警戒するような探るような響きがあったからだと気付いた。



相手が、私の通う高校の制服を着ている段階で、私の知人だろうとあたりをつけはしたもの、

なぜうちの前にいるのかと思っているのだろう。



関係性をみるためか、

母はもう少し突っ込んだ質問を投げた。


「それとも、彼氏?」


顔はにっこりと笑っている母。



見かけだけでも愛想良くしておくのは、当然なのだろう。


しかし質問について私は内心つい『余計なことを』と思ってしまった。



娘の知り合いとなれば、親が知らんぷり出来るわけないのだけど、

なんなら、してくれて良かったのに、なんて気持ちが心をよぎる。



そもそも彼氏かどうかなんて微妙な質問、ぶつけなくていいのに。



あとで秋月会長に謝らなきゃならないじゃないか。



関わりたくないのに……憂鬱。


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