【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ

秋月会長は折り目正しく母に挨拶をして、

質問については過度の反応はせずにやんわりと受け流す。



そんな彼を見てか、息苦しさを感じた。



私はいたたまれなくなって、

母を、玄関の扉で押すようにしながら家の中へと押し込み、

扉へ背を預けつつ全体重をかけて、まかり間違っても母がもう一度出てこないよう、

力を込めた。



その状態のまま、秋月会長に頭を下げる。


「母が変なことを言って、すみませんでした」


あとしばらく、秋月会長が去るまで、こうして扉に背と体重をかけていたほうが無難だろう。


秋月会長は、そんな私を一瞥すると、門へともたれかかった。


まるで長丁場を想定しているみたいに。


だから私は慌てて言ったのだ。


「先に行って下さい」って。