オレとコイツとアイツ
車を走らせ、公園の駐車場に車をとめる。
約束の時間まではまだだいぶある。
一服でもして待とうと、オレは車から降り、公園のベンチの横に置いてある灰皿へと向かう。
ベンチに近づくにつれて誰かが座っているのが目に入ってきた。
ドクン…
一歩進むたびに胸が高鳴る。
座っている誰かは下を向いていて顔は見えないが、ちょっと茶色いサラサラした肩まであるストレートの髪や高い鼻は昔のまま。
サク、サク…っとオレの芝生を踏む音がする。
ドクン…ドクン…
その音に気づいたのかそいつが顔をあげ、こっちを向いた。
そして―…
「あっ…大河くんだぁ!!」
そいつは昔と変わらない無邪気な笑顔をオレに見せた。
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