オレとコイツとアイツ
「…和樹は?一緒に来たんだろ?」
オレはそいつの八重歯の少しでる笑顔を直視することができなくて下を向いてタバコに火をつけた。
「和くんはトイレに行ってる。
大河くんは相変わらずタバコ吸ってるんだねー。20歳になったらやめるとかわけのわかんないこと言ってたのに。」
「うるせぇ。お前こそ相変わらず足太いなぁ。ちょっとは痩せてるかと思ったのに。今はいてるショートパンツ、太ももんとこ苦しそうだぞ。」
ぷはーっと煙りを吐きながら横目でそいつを見る。
「う、うるさいっ!!大河くんだってちょっと太ったし。ってか、全然身長伸びてないじゃん。きっとタバコのせいだー!」
ムカッ
こいつ、一番気にしてる事を…。
「お前…身長の事は言うんじゃねー!!」
「きゃーー!!」
ガバッと後ろからヘッドロックをかけるオレ。
その時ふわっとそいつから優しい匂いがした。
あぁ…。
懐かしい。こいつの匂いだ。