金魚玉の壊しかた
ほんのわずか見張られた緑色の双眸に、


「それに……それに、それだけではないのだ」


私は泣きながら裏切りを懺悔した。



「私は、円士郎殿に──」



言葉が途切れた。

続けることができなかった。



遊水の唇が、私の口を塞いでいた。



「言わなくていい」


一瞬だけ離れた唇が囁いて、


「そんなことはずっと前からわかってた」


再び私の唇を吸った。


初めは優しく、

徐々に激しく──。
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