金魚玉の壊しかた
「それでも──亜鳥だけは、」



首筋に、彼の唇が触れた。



「他の男が心の中にいても、

他の男の腕に抱かれても、

俺を裏切ったとしても」



囁きと共に、首を這う熱い感覚が肩へと滑り落ちてきて、




「構わねェよ」




思考を麻痺させ直接体の奥まで入り込んでくるような甘い声音に、

私は彼の腕の中で身を反らせた。
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