金魚玉の壊しかた
人の縁とはわからないもので──


「ここには私が集めた蘭学書がある。
興味があれば、読みに来ないか?」


私の心を読んだかの如くにそう言った虹庵の誘いに乗って、

私はその後虹庵の元を訪れるようになり……



一年後


私は、

私とあの人を結びつけることになる男──


──結城円士郎なる人物と知り合うことになる。




時代は、江戸中期。

杉田玄白らが
ターヘル・アナトミアを解体新書として刊行するより前のことである。
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