未来のない優しさ




「夕べも激しかったんですか?」

「…」

「増えてるし。花の数」

久しぶりに食堂でランチを食べていると、隣に座った孝太郎にささやかれた。

箸を持つ手と息が止まってしまう…。

「髪もおろしてるのに、気をつけないとばればれですよ。
…スクープ第二弾ですね」

そう言って、すまして食事を始める孝太郎と、きっと赤い顔で俯いている私を交互に見ながら怪訝そうにしている華穂。

「…私も気づいてたよ」

「え!?」

「健吾さんでしょ?」

ずばり。
言い当てられて何も言えなくなった私の表情が答えそのもので…。

「…かわいい。今日の柚すごくかわいい…」

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