未来のない優しさ




はっと目が覚めた時、心が粉々になったあの日を思い出した。

事故の後、手術を受けて目覚めたあの日…。

天井の白さがやけに目につく…。

「気がついたか?」

え…?

左を見ると、椅子に腰掛けている大和君。

私が寝ているベッドに肘をついて心配そうにしている…。

「…どうして…?」

「突然倒れたんだよ。
立ち上がった途端にな…
気分はどうだ?」

「ん…大丈夫だと思う…。
で、ここは?」

部屋を見回して、大体わかっていたけど。

「医務室」

やっぱり…。

「運んでくれたんだ。ありがと」

そっと起き上がる私に慌てて手を貸す大和君の方が青ざめていて、病人のよう…。

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