未来のない優しさ
②
はっと目が覚めた時、心が粉々になったあの日を思い出した。
事故の後、手術を受けて目覚めたあの日…。
天井の白さがやけに目につく…。
「気がついたか?」
え…?
左を見ると、椅子に腰掛けている大和君。
私が寝ているベッドに肘をついて心配そうにしている…。
「…どうして…?」
「突然倒れたんだよ。
立ち上がった途端にな…
気分はどうだ?」
「ん…大丈夫だと思う…。
で、ここは?」
部屋を見回して、大体わかっていたけど。
「医務室」
やっぱり…。
「運んでくれたんだ。ありがと」
そっと起き上がる私に慌てて手を貸す大和君の方が青ざめていて、病人のよう…。