未来のない優しさ
「前にも何度か倒れてるよな…。
すぐに回復してるけど。
大丈夫なのか?
病院行った方がいいんじゃないのか?」

冗談を言わせてくれそうもない低い声に、どう答えていいのか…。

知り合って八年。
何度も助けられて励まされてきた彼に、ごまかしは通じない事はよくわかってる。
大和君のじっと見つめる瞳が私に突き刺さる。

ふっと息を吐くと

「定期的に検査はしてる」

笑いながらも決意のこもった声で話し始めた。

「じゃ…やっぱりどこか悪いのか?」

「悪いと言えば悪い…。

高校生の時にあった事故で、私の体はボロボロだから…。

見た目の傷もそうだし」

「…」

「体の中も傷だらけでね。
いくつかの臓器は切除されたり小さくなったり…。

人並みに機能してないから、無理や疲れは禁物なの」

ははっと笑って…。
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