未来のない優しさ
俺に柚という絶対的な存在がなければ、望に対してももっと違う関係を求めたかもしれない。

自分の大切なものを守る為には非情になる俺が唯一優先順位を変えても気遣う気になった望。

お互いに恋愛感情はなくても…互いの幸せは願っている。

そう…。

柚が事故にあったあの日 の喧嘩の原因となった俺の八方美人な優しさをどれだけ悔やんだかわからない。

俺が一番大切にしなきゃいけない柚を悲しませ、人生を狂わせるきっかけは俺の誰にでもいい顔をしていた若さ故の甘えた考え…。

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