未来のない優しさ
「でも、春井のプロジェクトから川原を外す理由には…納得が…」

相変わらず荒い声の大和君に、部長は苦笑しつつ

「納得してもらう以外ないな。
確かに川原には実績残す大きなチャンスだが、昨日のトラブル処理をみても、川原がいなきゃどれだけ被害が銀行に発生したか…。

会社の決定も、あながち無謀なものじゃない。

…悪いな、柚ちゃん」

穏やかに諭してはいるけれど、もう何を言っても受け入れてもらえない毅然とした態度。

私なりに新しい仕事に期待していた部分も多いし、体の事を考えても本社から離れてプロジェクト一本に集中したかった…。
< 191 / 433 >

この作品をシェア

pagetop