未来のない優しさ
「部長も、歯車ですね…」

からかい半分、あきらめ半分。

仕方ない。

受け入れるしかない。

「…大和君、頑張ってね」

相変わらず張り詰めた姿勢の大和君に笑いかけると

「…あぁ」

硬い返事が返ってきた。

入社してから今まで、仕事には必要以上の真面目さと熱意であたってきた大和君。

結婚せずに生きると決めている私にとってもその態度には見習う事も多くて。

そんな私の近くで優しく心を寄せてくれていた…。

頼れる相棒と離れるのは寂しくて不安になるけれど、昨日…。

改めて大和君の気持ちをぶつけられて…。

華穂の存在がなくても。

応えるなんてできないから…離れる事は大和君にとっては必要なのかとも思える。
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