未来のない優しさ
高校入学と同時に好きになった。
同じクラスの野崎健吾。
進学校として有名な学校だったけれどスポーツも盛んで、オリンピック選手やプロ選手を大勢輩出している文武両道そのままの学校だった。
将来は幼稚園の先生になりたくて大学進学は考えていたけれど、毎日楽しく高校生活を過ごしていた。
一方、トップの成績で入学しバスケ部でかなりのレベルの高さを披露していた健吾。
見た目の良さと共に一気に校内の有名人となっていた。
そんな健吾に恋に落ちるのはすぐだった…。
たまたま家族と出かけたショッピングモールで偶然健吾と会った休日。
挨拶くらいですれ違ったけど、好きな人に会えた嬉しさでその晩は眠れなかった。