未来のない優しさ
我慢しなきゃいけない…。

バスケの邪魔はできない。

ぐっとこらえて我慢して。

ちょうど観たかった映画を観に行って寂しい気持ちを紛らわせようと…。

映画館に着いてチケットを買おうとした時。

上映が終わったのか、大勢の人が館内から出てきた。

ぼんやり見ていた私の視界に飛び込んできたのは

「健吾…」

楽しそうに笑いあう女の子…。
健吾に寄り添う姿はまるで恋人のようだった。

なんで…?

バスケの練習って言ってたのに…。
嘘ついて、どうして…?

追いかけることもできなくて呆然と立ちすくんでいた。

一緒にいた女の子はバスケ部のマネージャー。
一年生で…健吾の事が
好きだと噂になってた女の子だった。



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