未来のない優しさ
会った途端。

友美先生はあっけらかんと。

「弁護士ならよくわかってると思うけど。
医者にも守秘義務があるから、柚ちゃんの体調については何も言えないの。ごめんなさいね」

「…っ」

「家族には言える事もあるけど、今のあなたには何も言えないわ」

にっこり笑うと、部屋の真ん中にあるソファに腰掛けて、俺にも座るようすすめた。

無力感を感じて表情をなくしてるだろう俺に、くすっと肩をすくめた友美先生は

「体調の事は、柚ちゃんに任せるしかないのよ。
…無理は禁物。
それだけは言っておくけど…。
相変わらず仕事漬けなんでしょ?」

友美先生の向かいに座りながら、苦笑しながら頷くと

「早く結婚して仕事辞めてくれたらいいのに」

ぶつぶつ言って、溜息をつかれた…。

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