未来のない優しさ
「…柚ちゃんね、指輪に
願い事もしてたの」
「願い事…?」
「…誰にでも優しかった人が、そうじゃなくなったって聞いて…。
もとの自分を取り戻して欲しいって、そう願掛けしてたんだけど。
あなたの事よね…」
決して責める口調じゃない。
見つめる視線も優しくて、包みこまれる笑顔に。
いっそ責めて欲しい。
柚が耐えて来た苦しい日々を更につらいものにした俺を、責めて欲しい。
あれだけの傷痕を残すほどの怪我を負って、一人で知らない土地でひっそり治療に励む中でどうして…。
俺のことを思いやれたんだ…。
願い事もしてたの」
「願い事…?」
「…誰にでも優しかった人が、そうじゃなくなったって聞いて…。
もとの自分を取り戻して欲しいって、そう願掛けしてたんだけど。
あなたの事よね…」
決して責める口調じゃない。
見つめる視線も優しくて、包みこまれる笑顔に。
いっそ責めて欲しい。
柚が耐えて来た苦しい日々を更につらいものにした俺を、責めて欲しい。
あれだけの傷痕を残すほどの怪我を負って、一人で知らない土地でひっそり治療に励む中でどうして…。
俺のことを思いやれたんだ…。