未来のない優しさ
ホテルから私の部屋に戻った途端に思い出した現実。
マンションの管理会社から届いていた通知。
月末で退去する事になっているから、手続きやらいろいろしないといけない。
それはわかるんだけど…。
「どうしよ…」
リビングのソファに沈みこむ体と気持ち。
異動が決まったと同時に
会社が一括して借り上げてくれた春井のマンションに移るつもりで解約したこの部屋。
異動がなくなって、とにかく引っ越し先を確保しなきゃいけないけど…。
昨日からの健吾の積極的な動きが、結婚に二の足を踏んでいた私の気持ちを溶かし始めていて、
一人で結論を出せないな と思い始めてる。
左手薬指の輝きの力は絶大だ…。
そして、単純に、健吾と結婚すれば二人とも幸せになれるかもしれないとも…思う。
何が幸せなのかはまだ謎だけど…。