未来のない優しさ
生きるか死ぬか…。
私の容態から目が離せなかった何日間かは、その半狂乱状態は続いていて
自分が呼び掛けたせいで車に気づかなかったと責めて責めて。

美晴ちゃん自身の心は壊れてしまった。

それまでの明るさは作り笑いで周囲に気を遣う人形の表情に変わって。

興味のある事は積極的に経験して、人間力を上げていたのに。
私の事以外に興味をなくしてしまった。

美晴ちゃんの生きる力は、私が幸せになる為に全力を尽くす事。

私を一生守る為に弁護士になって。

子供の名前も『杏』って
つけてくれた…。
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