未来のない優しさ
きっぱりと…それでも穏やかな口調には葵ちゃんの自信が感じられて、悩みを抱えた自分がちっぽけに思える。

葵ちゃんより歳を重ねているのに。

「葵ちゃんみたいに強くなりたいな…」

『恭汰がいるから。
ちゃんとすがりついて
離れないって気持ちに応えてくれる人がいるから。
強くなれた…かな』

照れてる葵ちゃんの言葉を聞きながら、私も照れる…。

『とにかく日曜日の1時から打ち合わせだから。アマザンホテルに来てね』

あ…。

私と健吾も結婚式を挙げるホテル。

「年末には、同じホテルで私も結婚式だから…。
葵ちゃんも夫婦で来てね」

え~っと嬉しい声をあげて喜んでる声を聞きながら、携帯を閉じた。

ふっと体の力を抜いて葵ちゃんの言う

『すがりつく』

って言葉を考えてた。
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