未来のない優しさ
「そっか。男っていいなあ」

思わず呟く。

「ん?」

「私も25くらいまでは見合いの話もよくきてたけど、30代に入った途端にこなくなったもん」

ちょっと悲しそうに言ってみるけど、野崎くんは肩をすくめるだけで

「したいの?見合い」

「ふふっ。おいしいもの食べられるのはいいかな。でも、結婚するつもりないから面倒なだけ」

「お前…無駄に綺麗なだけだな」

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