未来のない優しさ

部署に戻って、机の上にある伝言や検印待ちの書類を見てげんなりと肩を落とす。

既に2時を回っている。

今日もお昼抜きか…。
最近の忙しさでまともにランチなんて食べてないや…。

砂糖たっぷりのコーヒーでも飲もうと給湯室に行くと、同じフロアの若い女の子達の声が聞こえてきた。

何となく足を止めると、何故か私の事が話題になってる事に気づいた。

｢…ね。やっぱり大和さんは華穂さんを捨てられなかったのね｣

｢柚ちゃんにふられた後も諦めてなさそうだったのにね｣

…私と大和君の事？

｢春井のプロジェクトに大和さんと柚ちゃんが一緒に異動するから不安になった華穂さんが、慌てて結婚の話を出したらしいし…｣