未来のない優しさ
「結局、柚ちゃんが大和さんの側にいるからだめなんじゃないの?」

「え~。華穂さんが身を引いたらいいんじゃない?」

「…」

コーヒーやめよ。

そっとその場を離れて部署に戻った…。

きっと悪気なんてないんだろうけど。
客観的にみれば、今聞いた事は、社内みんなが思ってる事なのかもしれない。

でも…。

私が大和君の側でぬくぬくと甘えてた事が、誰かを悲しませてるのなら、私はもう…ここにはいられないような気がする。

仕事だけは手放さずにいようと頑張ってきたけど。
それも無理なのかな。

生きていく為に、ただ必死で毎日を過ごしてきた
事は…間違いだった…?

健吾の側にいてはいけないと、泣くだけ泣いたあの日の痛み。
また感じる日がくるなんて思わなかった。

私はいつまで幸せになれないんだろう…。
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