未来のない優しさ
「晩飯どうすんの?」

「…家で適当に食べようかなって思ってたけど」

「それって俺の分もある?」

「…本当に適当なもんで良ければ、あるよ。お酒はないから自分ちから持ってきてね」

「いや、ないならないでいい。取りに帰るのも面倒だし」

「同じマンションに住んでるんだからすぐなのに」

淡々と話す野崎くんの横で、夕飯のメニューを頭の中で色々考える。

料理は得意にしているから、特に困らないけど…こんな風に食事を作ってあげる事ももうできなくなるんだなと思うと、ちょっと感傷的になる…。

もう少し側にいたかったな。
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