未来のない優しさ
逃げようとする私をぎゅっと離さずキスを続ける健吾は、一瞬唇が角度を変えて離れる時にも手の力を緩めない…。

気持ち全てをぶつけてくるようなキスが、私の願いが何なのかを知り抜いているみたいに余裕を感じさせる。

思い出そうとしなかった昔交わしたキスの記憶が蘇る。

気付けば健吾の首にしがみついて深く応えていた…。

この歳になっても健吾しか知らない、何の成長もないキスで応えても…満足してもらえるか自信はないけど。

必死で。
呼吸の仕方も不器用に…。

健吾…。
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