未来のない優しさ
朝の白い光が窓から入ってきて、そのまぶしさで目が覚めた。
夕べカーテン閉めるの忘れてた…。
少しずつ目覚める体と共に、少しずつよみがえる昨夜の痛み。
「あ…どうしよう…」
体を動かす度に、普段は感じない痛みに震えて、昨夜の甘い時間が夢でないと告げる。
そっと横を見ると、整った愛しい寝顔が私の首筋に寄り添っていた。
健吾の両腕が私をはがいじめするかのように巻き付いて身動きがとれない。
起こさないように注意しながら、その腕を抜け出そうと身をよじると
「…まだ早いよ」
耳元でかすれた声が聞こえた。