未来のない優しさ
戸部先生は、窓際に立ち、悲しい瞳で外を見ながら息を吐く…。

「お前の同級生の…いや、彼女だったんだろ?」

「…はい…」

「柚ちゃんは、助かった唯一の被害者って事で…マスコミも病院に張り付いたりしてた。でもな、強い力でかくまってくれるバックもなくて…身を隠すしかなかった…。
高橋社長はそれを悔やんでいて…今回のマスコミの騒ぎからは、自分の社会的な力で柚ちゃんも守ると決めてるらしい…」

「どうしてKHの社長がそこまで…?」

いくらかわいそうに思っていたにしても、柚は全くの他人のはず。

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