ストロ☆ベリー
コーヒーと君
「おい、ノート貸せ」
「小テストあるからダメ」
そう言ってあいつは俺から視線をそらした。
真っ白な手には、真っ赤なノートが握られている。
「じゃあ見せろ」
「だからぁ、小テストあるからダメ」
「見せろ」
「もー……。わかったよ」
そう言ってあいつは嫌そうな顔をして、俺にノートを差し出した。
「……やっぱ、いい」
俺はノートをあいつに返し、その場を立ち去った。
テストなんてどうでもいい。
そう思いながら自分の座席へと戻る。
テストなんてどうでもいいんだ。
俺には。