ストロ☆ベリー
「ねぇ、結局できたの?」
今日もあいつはイチゴオレを飲みながら、俺の隣でメシを食っている。
転校してきたばかりのこいつに友達がいなくなったのは、間違いなく俺のせいだ。
柄の悪い俺に近づく奴は、そうそういない。
「ん、何が?」
あいつが買ってきたフルーツサンドにかぶりつきながら、何のことかと考える。
「小テスト」
あぁ。
「それは嫌味か」
「いや、そ、そういうわけじゃないけど……」
困惑した表情を浮かべる彼女の手からイチゴオレを奪い取った。
「あっ……。もう。イチゴオレが飲みたいなら、言ってよねー」
頬を膨らませながら、彼女は俺のコーヒーに手を伸ばす。
イチゴオレは好きだけど。
俺、実は。
甘いコーヒーの方が好きだったりする。