ストロ☆ベリー



勉強なんてどうでもいい俺がノートを借りようとしたり。


いちいち自分のコーヒーとイチゴオレを取り替えたり。


「たしか……5限目も小テストあったよね?」


彼女のさらさらな黒髪が風に揺れている。


女嫌いな俺が、毎日屋上で一緒にメシ食ってる理由も。


「ねぇ、どこが出るか知ってる?」


なんで気づかねぇかな。


「……知らね」


「そっか」


彼女は穏やかな顔で俺のコーヒーを飲んでいる。


それも間接キスだってこと。


気づけよな馬鹿。


甘すぎるイチゴオレを飲みながら、フルーツサンドを頬張る。


「イチゴオレにフルーツサンドなんて、イチゴばっかだね。名前も壱檎だし」


笑いながら言う彼女に、一気に顔が熱くなる。


なんで名前知ってんだよ。


「顔赤いよ?」


小さな白い顔で覗き込んでくる彼女に、俺はどうしても勝てない。


「うっせぇ。黙れ」


素直になれたらな……なんてあり得ないことを考えながら、俺はイチゴオレを飲みほした。
















end
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ぼくはここにいます

総文字数/5,383

恋愛(学園)29ページ

表紙を見る
silent*love

総文字数/1,510

恋愛(その他)8ページ

表紙を見る
キミ予報

総文字数/10,361

その他26ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop